描く未来

ラッコラは、小学生、中学生の子どもたちがサイエンスを楽しく学べる場をつくりたいという思いから始まりました。

将来、子供たちが大人になる時に、たくさんの重要な選択をしなければなりません。どんなエネルギーを使うのか、どんな食べ物を食べるのか、どんな医療を受けるのか、そして、どんな環境にしていくのかなど、多くの問題が待ち受けています。子供たちが科学技術の仕事に携わらないとしても、サイエンスの知識がないと解決が難しい問題と、問題を解決するための対話が増えていくことでしょう。そんな未来で「サイエンスで解決する力、判断する力」とはどのようなものなのか、3.11以降深く考えるようになりました。

私たちがラッコラを通して目指しているのは「問題を解決するための考え方と知識」を身に付ける教室です。

私たちが “サイエンス”という言葉を使う意味

新しい「知」を見つけること、それがサイエンスです。サイエンスと聞くと「=科学」、「=理系」という印象が強いと思いますが、その言葉の語源からも「知識」というもっと広い意味を指しています。大学で学ぶような経済学、文学、法学、教育学もサイエンスですし、それらを研究している人たちは皆サイエンティストです。私たちは新しい「知」を見つける「サイエンス」という言葉の意味を意識しながら、一般的に文系と呼ばれている分野も科学や工学と分け隔てなく学べる環境にしていきたいと考えています。

“プログラミング”が叶えてくれる冒険

子供たちと一緒にサイエンスという広大な「知」の海原に探究の航海へ出かけるために、私たちが選んだのが“プログラミング”という船です。この船を操縦できるようになると、あらゆる分野に共通の「問題を解決するための考え方」という最強の能力を身に付けられるからです。

さらに“プログラミング”は自分の考えていることを表現して伝えることにも役に立ちます。表現できるようになると仲間が考えていることも理解できるようになり、共に航海する仲間とのコミュニケーションを可能にします。

教育としてのプログラミング

プログラミングは読み・書き・算術・英語に並び、初等教育に今後組み込まれていくとされています。そこでも期待されているのは、「問題を解決するための考え方」を学ぶことです。これまでプログラマーを目指す人のための技術を学ぶプログラミング教育はありましたが、子供たちに「考え方」を学んでもらうためのプログラミング教育はこれから開発が進む新しい分野です。

技術としてのプログラミング

スマートフォン、ゲームなどの身近な電子機器だけでなく、社会のシステムのあらゆるところでICT(情報通信技術)が使われています。そして、それらは「誰かがプログラムしたモノ」です。複雑な計算を早く正確に行うコンピューターも、人がプログラムすることで初めて動き出します。

ラッコラでは、プログラミングの基礎を踏まえたカリキュラムづくりをしています。

このように、サイエンスを学ぶ意義、プログラミングの有効性、将来性などを総合的に考え、「サイエンスとプログラミングをいっしょに学ぶ教室」を開きました。

ラッコラを通して、多くの子どもたちに出会えることを夢見ています。

ラッコラ代表 中村景子(株式会社スペースタイム代表取締役)

ラッコラは、サイエンスと社会をつなぐ「サイエンスコミュニケーション」という仕事をしている株式会社スペースタイムが、教育事業として2014年夏に立ち上げ、運営しています。